Monthly Archives

12月 2017

未分類

LINE田端さんと語る「個人がメディアの時代のモチベーション革命」ー最終パート無料公開

2017年12月11日

LINE田端さん との対談すげー プロレス的でおもろかったー

 

 

 

 

 

 

 

 

(エリマキトカゲの モノマネじゃないです、真剣に話し合ってます)
LINE田端さんの名著Media MakersはMediaの時代のバイブルとして、

もう5年前に書かれた本ですが、その原理原則は輝きを失っていません。

むしろ個人がMediaになる時代の今こそ、個人の人生の指南書としても非常に重要な本になっています。

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 宣伝会議

この1728円の名著がKindle Unlimitedなら無料で読めるのですから有り難い時代です。
(拙著も幻冬舎さんの好意で対応いただいてます。)

モチベーション革命の最終パートは「僕がなぜ赤いマフラーをし続ける理由」から始まる自分のモチベーションとの出逢い方です。そして、それはもう自分の身の回りの日常には課題すら「ないものがない時代」にはどうやって遊びを余剰をつくっていくかという「意味のイノベーション」の作り方を語るパートでもあります。

そんなことをテーマに田端さんと語った10分は想像以上にストーリーとインサイトある時間でした。

LINE田端「個人がMedia Makersの時代、見習うべきは戦国時代のカブト?」

 

無料公開を続けるモチベーション革命は、西野亮廣さんの予言どおり
発売2ヶ月たっても 11月はAmazon電子書籍で総合5位内をほぼほぼキープする好評を続いています。

第一章は今でも西野さんのブログで読み続けられているようです。
キングコング西野「名著『モチベーション革命』第1章全文無料公開!」

それでは最終パート楽しんでいただけたらです。
で、もし気にいったら誰かにモチベーション革命をネタにネットでリアルで話してくださったら嬉しいです。
自分の好きは異なる人とぶつがり稽古を繰り返す中で研ぎ澄まされていきます。
西野さん、ヨッピーさん、佐渡島さん、シバタナオキさん 本当にありがとうございました。
それぞれの方の輝き方と個性と掛け算させていただき、色んな角度からみえること楽しかったです。

これからも皆さんと探求しつづけられればです。


モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書

 

それでは最終パート 楽しんでいただけたら

 

第4章  個人の働き方 ———–

さて、本書もいよいよ最終章となりました。この章では、個人としての僕自身の働き方や生き方を通して、変化の時代における新しい働き方のヒントを提供できればと思います。会社員として働く人も独立している人も、自分の内側から溢れるモチベーションをエンジンにした働き方の参考にしていただければ嬉しい限りです。

———–

(前半の節)

■月に100時間しか働かない

■「ご縁(人に人を紹介し、つなぐこと)」はお金に換えない

■強みを磨き続け、自分にしかできないことを仕事にする

■キャリアの始まりは議事録係

■非日常で仕事をする

■勇気を出して引きこもるのもアリ

—————(後半の開始)

 

■僕が赤いマフラーをし続ける理由

 

自分の「好き」や「生きがい」、仕事をする「意味合い」。これらを突き詰めていく生き方を始めるには、人とは違う自分だけの人生にエントリーしなければなりません。

 

僕たち日本人は、とりわけこの「人とは違うこと」を恐れます。確かに、人と違う生き方は時々しんどいし、「好き」を突き詰めていく過程や、理解されるまでの日々は孤独です。しかし、「好き」のエッジが利いてくるほど、必ず気の合う仲間を呼び込んでいくのです。

 

僕は普段から、赤いマフラーを身につけて行動しています。これは僕のトレードマーク。仲間に見つけてもらうための目印です。

 

僕はバリ島やシンガポール、東京をはじめ、世界各国を周っていますが、この目立つ赤いマフラーがあれば、「尾原さんじゃないですか!」とあちこちで声をかけてもらえます。

 

先日も、東京に着いたばかりの日に、銀座「そば 俺のだし GINZA」の肉そばがどうしても食べたくなってお店に入ったら、シンガポールの友人が偶然前の道を通りかかり、赤いマフラーをしてそばを食べている僕に気づいて、「こんなの尾原しかいない」と言って声をかけてくれ、再会を果たすことができました。

 

近年ではテレビや講演に呼んでいただける機会が増えたので、そこでも必ず赤いマフラーをつけるようにしています。

 

さらに出会いのきっかけを増やしてくれるのが、僕が背負っているソーラーバックパックです。バッグの背面が一面ソーラーパネルになっているイカついバッグなのですが、もの珍しさもあって、国内外を問わず、空港や街なかで「それ何ですか?」と声をかけられます。

 

ソーラーバックパックに興味を持ってくれる人は、だいたいが僕と同じデジタルガジェット好きか、エコ好きなのです。彼らは初対面でも「好き」を共有できる僕の仲間です。よって、前者の人とはインターネットの未来を、後者の人とは、自然との共存を楽しく持続的に行っていくために我々に何ができるかを、よく語り合います。特に、ITの聖地であるシリコンバレーで行われるカンファレンスなど、生粋のガジェット好き仲間が集まるところに背負っていくと、もう磁石のように仲間が集まってきてくれます。こうして、僕の「好き」の源泉である「ご縁」や「着想」が生まれるわけです。

 

自分の「好き」のエッジを尖らせていく生き方における僕の師匠は、キングコングの西野亮廣さんです。彼の発言は毎日のようにインターネット上で炎上を起こし、Yahoo! ニューストピックスのトップを飾ります。

 

以前からその様子をインターネットで見ていた僕は、先日、楽天が主催するイベントで一緒に登壇させていただいたときに、西野さんにこんな質問をしました。

 

「そんなに毎日炎上させて、敵をたくさん作って怖くないんですか?」

 

すると西野さんは嬉しそうに答えてくれました。

 

「僕の発言は議論を呼ぶから、敵も生まれるけど、仲間も集まってくれる。1万人の敵ができても、同時に100人の仲間ができる。もし、1万人の敵を怖がって、声を小さくしたら、敵も少なくなるけど、その分仲間も減ってしまう。僕にとっては、敵を作ることより、仲間が減ることのほうが怖い」

 

西野さんの発言のような、議論を巻き起こす話題のことをコントラバーシャル(controversial)と言います。西欧圏では、「議論が巻き起こるところには、新しい何かが隠れている」といって尊重されるものです。

 

電気自動車「テスラ」などの発明で、自動車業界に革命を起こしているイーロン・マスクさんは「誰もが違和感を覚える課題こそ大切にしろ」と言います。

さらに、コントラバーシャルな話題は議論を呼ぶので、SNSの中であっという間に拡散していきます。その拡散は敵も呼びますが、普段は出逢うことのない仲間をも呼ぶのです。

 

僕は西野さんのようにかっこよく、「1万人の敵がいても、100人の仲間を大事にしたい」と言えるほどの胆力がないので、僕なりの方法として、赤いマフラーとソーラーバックパックというピエロのような奇妙な格好で、仲間を呼び込みます。

あなたの「好き」を突き詰めていくと、印になるアイテムが見えてくるはず。ぜひ

それを身につけてみてください。「好き」を旗印にして、仲間をどんどん呼び込ん

でいきましょう。

 

 

■「他人に迷惑をかけちゃいけません」という現代の呪い(ありがとうの返事はおたがいさま)

 

自分の「好き」を貫くときのお邪魔虫。それは、今の日本人にかけられた「迷惑をかけちゃいけません」という〝呪い〟です。

 

ほとんどの日本人は、小さいころから両親や学校の先生にそう言われて育ってきました。そんな人々にとって、誰かに迷惑をかけることは「悪」です。だから、常に「他人から見てどうか(迷惑になっていないか)」を気にして生きている。やがて他人の目線や他人の評価軸を取り込むことに慣れ切った人々は、何か行動を起こすときも、自分がどうしたいかより、他人から見てどうか、他人に迷惑をかけないかを一番に気にしてしまいます。

 

そんな人から見れば、どこでも赤いマフラーをつけて行動する僕だったり、西野さんのような炎上上等での仲間作りなんてもってのほか。「そんなことしてよく恥ずかしくないな」と思うことでしょう。

 

ところがインドでは日本の反対で、親は子に対して「あなたは誰かに迷惑をかけて生きていかなければならないのだから、他人の迷惑も受け入れてあげなさい」と言うそうです。

 

では日本は昔から「他人に迷惑をかけてはいけない文化」だったのでしょうか?

 

昔の日本人は、長屋という細長い住宅に何世帯も住み、何でも分け合って生活してきました。元々「おたがいさま」の国民なのです。かつてはテレビがある家は珍しく、持っている人の家に集まってみんなで番組を観ていたのです。

 

しかし戦後、国をあげて経済成長していく時代になると、テレビは〝持っている家に集まって観るもの〟から、〝一家に一台〟に変化していきました。

 

すべての家に家電が行き渡れば、ご近所同士のモノの貸し借りがなくなります。こうして、〝迷惑をかけちゃいけない〟という〝呪い〟が生まれてきました。

 

しかし、〝迷惑をかけちゃいけない〟という〝呪い〟は、ご近所同士のモノの貸し借りをやめることにとどまらなかったのです。いつしか、コミュニティの枠から飛び出したり、チャレンジしたりする人に対し、「失敗して誰かに迷惑をかけたらどうするんだ?」という風に問いかけるようになっていった。みんなと同じ色に染まっていれば、誰にも迷惑をかけないと思い込むようになってしまったのです。

 

しかしこれから訪れる変化の時代では、「おたがいさま」と言えるような大らかさや、人それぞれの違う色を発揮できるような風通しの良さがないと、どんどん行き詰まってしまいます。

もし誰かにちょっと迷惑をかけてしまったら、そのぶん「ありがとう」と言ってもらえる行動を起こしましょう。そして誰かに「ごめんなさい」と言われたら、「おたがいさま」と言って、迷惑を受け止めてあげられる笑顔を見せましょう。

 

そうやって少しずつ、自分にかかっている〝呪い〟をといていきましょう。

 

 

■自由に世界をかけめぐれる時代

 

「シェアリングエコノミー」という言葉をご存知ですか? 自分の家の空いている部屋をホテルとして他人に貸し出せる「Airbnb」や、空いている時間で自分の車をタクシーにできる「Uber」など、家やモノ、時間といった〝空き資産〟を他者と共有(シェアリング)することから生まれる経済のことです。

 

これって、日本がかつて長屋生活をしていたころ、何でもモノを貸し借りしていた習慣とそっくりですよね。

現代のように、日本が人口増加から減少に移っていくなかで、〝テレビも車も一家

に一台〟から、〝みんなで共有〟という長屋時代の習慣に戻っていくことは、必然的な時代の流れといえるかもしれません。

 

しかし、そんな風に、経済も生活も小さくコンパクトになることだけがシェアリングエコノミーの本質なのでしょうか? いえ、シェアリングエコノミーは「人の〝好き〟を追究できる自由」を生み出すところに面白みがあるのです。

 

バリ島で出逢ったある友人は、バリ島とベルリンにそれぞれ家を所有しています。一見すると家賃が2倍もかかって、お金を使う自由が減ってしまいそうです。しかし、彼はバリ島にいるときはベルリンの家をAirbnb で貸し出しています。ベルリンにいるときは、バリ島の家を貸しているのです。

 

つまり、バリ島にいるときはベルリンの家が家賃を稼いでくれて、ベルリンにいるときはバリ島の家が稼いでくれている。よって、彼の1ヶ月の家賃は、家が2軒あるにもかかわらず、1軒ぶんで済んでいるのです。さらに、彼がシンガポールに旅行しにいったときは、2軒ぶんの家賃によってホテル代を賄うこともできるのです。

 

そう、彼はシェアリングエコノミーのおかげで、家賃1軒ぶんで世界中どこにでもいられるという自由を手にしているのです。

もしかして、シェアリングエコノミーに対して「迷惑の呪い」が湧いてきていませんか? 自分が他人の家を借りて迷惑をかけていることにならないだろうか? 逆に、自分の部屋を貸して、誰かが汚したりと迷惑をかけられないだろうか?

 

インターネットの時代では、これらの心配はレビューが解決してくれます。例えば、Airbnb では、部屋を大切に扱う宿泊客は貸し主から「キレイに泊まってくれてありがとう」とコメントされ、高評価がつきます。この評価があると、次の貸し主は「迷惑をかけられるんじゃないかな?」などと心配せずに、安心して部屋を貸すことができます。

 

さらに、借りる側も「この人は部屋をキレイに使ってくれる人だ」と信頼されることで、よりいい部屋を借りることができます(Airbnb では、宿泊を希望する客に対し、貸主が部屋を貸すかどうか、事前に相手のレビューをチェックして判断できるようになっています)。

 

僕も、頻繁にAirbnb を利用しています。ある程度高評価なレビューがたまってくると、高評価な人だけに貸し出される良質な部屋を、格安で借りられることもあります。例えば以前、家族でオランダを訪れたときのこと。借りた家は街の中心地・駅チカなのに激安で泊まれたので、「こんなにいい家がどうして安いのか」と不思議に思いました。

 

そのお家は、子どものおもちゃや生活用具がそのまま置かれており、冷蔵庫を開くと2つぶんの棚だけが空いていて、「ここは自由に使ってね」とメモが貼り付けてあるだけで残りの棚には使いかけの食料が詰まっていました。

 

ずいぶん不用心です。他人に部屋を貸すのに、鍵付きの棚に隠しておかないだなんて日本でも考えられないことです。ましてや、冷蔵庫をそのままにするだなんてもってのほか。完全にキレイにしておかないと迷惑がかかる、または食料を盗まれるんじゃないかと疑ってしまいます。

 

しかし、貸し主も借りる側も、Airbnb では、勝手に人の食料を食べてレビューに悪く書かれた場合は、部屋を借りられなくなることを理解しています。

 

貸し主は家のものに鍵をかけたり整理する手間をかけなくてすむから、そのぶん、安く貸し出すことができる。借りる側もそのぶんいいお部屋をちょっと安く使わせてもらうという、まさに「おたがいさま」で「適度な迷惑のかけ合い」が生まれていくのです。

 

こんな風に、インターネットの世界では「信頼」が可視化されていくので、お互いに適度な迷惑をかけ合うことで、自由を広げていくのです。

 

この評判の可視化はレビューだけじゃないです。SNSで信頼情報が循環しやすくなっているので、どんな振る舞いでも様になっていきます。そう、「情けは人のためならず(巡り巡って)おのれのためなり」ですね。

 

あなたが持っているモノ・スキル・時間を、今までよりほんの少し多めにシェアリングしてみましょう。その評判がたまっていくと、あなたも人からシェアリングを受けられるようになっていきます。

 

 

■コツコツが浮かばれる時代

 

「評判」が可視化されていく時代は、悪い「評判」が一瞬で広まってしまうので、一見すると総監視社会のように見えるかもしれません。しかしこれは、「おたがいさま」な「適度な迷惑のかけ合い」によって、むしろ自由が広がっていく時代です。

 

この「評判」が可視化される時代は、仕事において〝意味合い〟を重要視する「乾けない世代」の味方をしてくれます。これからは、好きなことをコツコツやる人こそが浮かばれる時代でもあるからです。

 

先ほどシェアリングエコノミーの代表例のひとつとして、Uber を挙げました。このサービスの便利なところは、Uber アプリを通して事前に目的地を指定でき、最短距離での料金が表示され、クレジットカードで自動決済してくれることです。

 

海外でタクシーに乗るときは不安がつきものです。「ぼったくられるんじゃないか?」とメーターを凝視し続けたり、「変なところに連れて行かれないか」と慣れない地図と街の通り名を確認したり。Uber はこれらの不安を解消してくれるのです。

 

また、必要なやりとりはアプリを通して行うため、言葉が通じなくても問題ありません。そのため、Uber のお膝元であるカリフォルニアのドライバーは移民の方が多いのです。そもそも彼らは、「移民だから」という理由で真っ当な職業に就けないことがあるため、Uber は彼らにとっても便利な職業ツールとなっています。

 

Uber は、Airbnb と同様、乗客がドライバーを評価するレビューシステムがあります。Uber ドライバーは毎日何人もの客を乗せるので、あっという間にレビューがたまります。

 

そのため、たとえ偏見を持たれがちな移民の方でも、きちんと真面目に仕事をする人は、レビューによって高評価を集めるので、より多くの乗客に恵まれるようになります。僕も、高評価なドライバーに乗せてもらったときは「どこの国からきたの? アメリカのどううところが好き?」などと声をかけ、会話を楽しませてもらっています。

 

また、Uber でコツコツと満点の5つ星を毎日ためていったドライバーは、たとえ移民の方であっても、車が他よりも安いローンで買えるようなケースも増えてきています。

 

さらに、この好きなことをコツコツやることが価値に変わることの究極がライブ動画ストリーミングプラットフォーム「SHOWROOM」です。

 

SHOWROOM は、誰もがライブ放送ができるアプリです。すごいのは観客がこの人を応援したいと思ったら〝お金〟をあげられるのです。この観客からの応援収入が月に1000万円を超える人もいます。

 

人から応援をたくさんうける人の特徴はなにか? SHOWROOM 代表取締役の前田裕二さんは「コツコツとやること」だと言います。

 

たとえ歌い手がヘタだとしても、コツコツと好きなことに打ち込み続ける姿は共感を呼び、つい応援したくなる気持ちにさせるのです。

 

僕はこれを聞いて、SHOWROOM は高校野球2・0なんだと思いました。高校野球を見ていると、球児の限界を超えた頑張りや、その先にある成長につい声をあげて応援したくなる。SHOWROOM は誰もが自分の好きなコトをとことんやる、甲子園のような頑張りが応援される舞台なんだと。

 

インターネットの時代では、オンラインによってSNSもライブ動画でもいつでも、ずっとつながっていられます。よって、自分がコツコツやっていることが可視化されやすいのです。

 

あなたが自分の「好き」に打ち込む姿も、きっと誰かが共感して応援してくれます。

好きなことに打ち込む熱量は、見ている人を元気にします。これがAIやロボット

によってあらゆる作業が効率化されていくなかで、人に残された大事な役割です。

 

 

■使いかけの口紅をメルカリすることの豊かさ

 

SNSでのシェアが自由を生み、「おたがいさま」で「適度な迷惑のかけ合い」が、大らかさを生む。お互いの「好き」を交換できる時代は、あなただけの「好き」が、独自の色を、放っていきます。

 

ちょっと関係ないようなエピソードから入ります。

 

「メルカリ」というフリマアプリをご存知ですか? ここではユーザー同士が気軽にモノの売買ができるため、本当に「エッ!」というものが売られていたりします。

 

メルカリで頻繁に売買されているモノのひとつに、使いかけの口紅があります。ぎょっとしますよね。「使いかけの口紅なんて不衛生じゃないの?」「それとも、新品の口紅を買う余裕がないから、そんなものを買うの?」と思うのも当然です。しかし、実は非常に合理的な方法で売買されているのです。

 

口紅は、使ったところだけ斜めに切り落とせば、新品と同じです。そして口紅は小さいので、送料も少額で済みます。

 

そのため、1回だけ使って気に入らなかった口紅は、口をつけた部分だけ切って売れば、新品に近い商品としてそれなりに高く売れます。見方によっては、これは口紅のシェアリングサービスと同じだと言えるのです。使いたい分だけ使って、残りを次の人に売れば、差額と少額の送料だけが利用代ということになります。

 

しかも、メルカリのダウンロード数は国内だけで5000万(2017年6月30日時点)にも上ります。莫大な数のユーザーがいるので、たとえ手元にある口紅がイエローで、ハロウィンパーティでしか使えないような色でも、意外と買い手がつくのです。

 

買い手の立場に立ってみるとどうでしょうか? 店頭で買うより安く済むのであれば、たまにはパーティで目立てるような、普段使ったことのない色を選んでみるのもいいなと思えますよね。

 

気づきませんか? これは、インターネットにおけるあなただけの好き・嗜好性という〝色〟においても、同じことなのです。

 

インターネットは、あなたにとってはいらなくなった口紅の色を、必要としている誰かと、あなたをつなげてくれる。つまり、あなたにとっては〝この色はいつも使えなくてしまっておくしかないなと思える〟ようなものでも、〝「好き」って言ってくれる人がいるのか分からないようなもの〟でも、それを「ありがとう」と言って受け取ってくれる人を見つけることができるということです。

 

世の中には、どんな需要があるか分からないものです。インターネットを通じて使いかけの口紅を売ってみる気軽さで、あなただけの「好き」をどんどんさらしていきましょう。やがて、周りから「ありがとう」と言われ続ける、あなただけの色が見つかります。

 

そして、あなたが発信した「好き」が、誰かにとっての珍しい非日常になるのなら、あなたはパーティで使いたいとっておきの口紅と同じ。色んな人の非日常を飾るようにひっぱりだこにされ、みんなから「ありがとう」と言われ続けるでしょう。

 

自分にとって〝誰が好きと言ってくれるか分からない色〟でも、誰かが「好き」と言ってくれる。あなただけの色をどんどん人に提供していきましょう。やがて、持続的に人から「ありがとう」と言ってもらえる自分だけの「好き」が見つかります。

 

 

■自立とは、依存先を増やすこと

 

ちょっとだけ堅い話をさせてください。

 

変化する時代を生きるには、「好き」を磨くこと以外にも、大事なことがもう一つあります。それは、変化する時代では、変化しないでいることのほうがむしろリスクだということです。

 

なぜなら、今あなたが勤めている企業も、もしかしたら仕事も、すべてロボットにとってかわられるかもしれないからです。よって、自分が依存する先が一箇所しかないと、その一箇所がつぶれたときに路頭に迷うことになってしまう。

 

変化する時代を自由に、自立して生きていくためには、何にも依存しないことではありません。むしろ依存先を一箇所にしぼらず、複数持つことが大事です。

 

「自立とは依存先を増やすこと」という言葉は、脳性まひの障害を持つ小児科医の熊谷晋一郎さんの言葉です。彼は、東日本大震災のときにエレベーターに乗られず、研究室から逃げ遅れた経験から、〝健常者は階段やはしごなどによって逃げる「依存先」が複数あるのに対し、障害者はエレベーター一択であったこと〟、つまり依存先がひとつしかないのが障害者の本質であると思ったといいます。

 

僕はこのエピソードを知ったとき、人間にとって代替しにくい強い依存先の代表こそ国家であると思いました。トランプ大統領が移民に対して否定的見解を示したとき、多くのアメリカにいた移民が困惑しました。

 

一方で、国を超えて、複数の所属先に生きている人達も現れています。僕自身もまた、日本だけに依存しない生き方を模索中です。ただ、それは一部の人間のみの特権と思われるかもしれない。

 

しかし、コツコツが報われる時代がきています。Uber に貯まった高評価は、真面目に仕事をする、事故を起こさない優秀なドライバーの証明です。しかもUber では、ジョウキャウとのやりとりを全てアプリが行ってくれるので、現地の言語や地理分からなくても働くことができます。つまり、理論的には中国語圏でも、アラブ圏でも生きていけるということなのです。

 

渡航費用も、先ほどの車のローンのように真面目なドライバーなら確実に利息をつけて返してくれる良い投資ですから、投資家もあらわれるでしょう。

 

国家は今、余裕がなくなってきていて、移民に対し「お前はもう仲間じゃない」という叫びが広がっている。

だけど、インターネットによる信頼の可視化が、人の依存先を増やし、自立を促してくれると僕は信じています。

 

縁(ふち)に生きる人達は前の縁を捨てて、次の縁だけにすがらざるを得なかった。

でもネットはつながりを緩やかにするものだから、複数の縁を持つことができる。

そうすると、なにか依存先が壊れても、自立しつづけることができる。だから縁(ふち)にいるこそが安定する時代になってきているのです。

 

そして、この異なる色を持つ方々が仲間にいることが信頼のパートで語ったように変化の時代に力を発揮します。

 

こんなポストをした時に同行の師であるTEDxHimiファウンダーの川向正明さんが素晴らしいエピソードをコメントしてくださいました。

 

Use your strength (君の強みを使えば)

山道散歩してた親子の前に丸太が横たわっていて、子供が『ぼくにもできる?』と父親に質問したところ、父親は

「You can do it, if you use your strength.」(もし、君の強みを使えば、君でもできるよ)

と言いました、でも1人で動かそうとして動きません。

そしたら父親が、

「 I’m your part of strength.」(僕は君の強みの一部だよ)

と。

 

思い切って縁(ふち)に立ち、複数の縁を楽しみましょう。

そうすると、あなたの当たり前が誰かの「有り難う」に連なり

そして、あなたの強みが誰の強みの一部になる

素敵じゃないですか?

 

だから、世界が自分が余裕がなくなってきても、閉じて依存先を減らすのではなく、勇気をもって、誰かとつながり、誰かの強みの一部になりつづけていけたら素敵だと思います。

 

 

縁(ふち)に生きる人達は前の縁を捨てて、次の縁だけにすがらざるを得なかった。

でもインターネットはつながりを緩やかにするものだから、複数の縁を持つことができる。

そうすると、なにか依存先が壊れても、自立しつづけることができる。だから縁(ふち)にいるこそが安定する時代になってきているのです。

 

例えば、アメリカの帰国子女である友人は、時々こんな悩みを口にします。「僕はアメリカで生まれ、日本で育った。アメリカにいると日本人扱いされ、日本にいるとアメリカ人のようだと言われる。時々、自分がどこの何人なのか分からない」と。

 

人の依存先をひとつの国家だけに縛るなら、このような悩みも生まれます。しかし、インターネットは人と人のつながりを緩やかにするものだから、複数のコミュニティ(依存先)を持つことができる。実際、うちの11歳の娘はLINEのおかげで平日は現地の子供達と、休日は日本にいる親友とビデオチャットを楽しみ、彼女の好きな写真はInstagramを通して両国のそれぞれの友人から好きをもらうことで、双方とつながっていられます。SNSでつながる地元の仲間、趣味の仲間、プロジェクトで関わった人たち、旅先で出会った人々…。あなたの評価だって、SNSで可視化できます。11歳の娘はLINEのおかげで平日は現地の子供達と、休日は日本にいる親友とビデオチャットを楽しみ、彼女の好きな写真はInstagramを通して両国のそれぞれの友人から好きをもらうことで、双方とつながっていられます。

 

すると、どこかの依存先がおかしくなっても、他にも依存先があるから自立していつづけられる。

 

思い切って縁(ふち)に立ち、複数の縁を楽しみましょう

 

 

■外にあるインサイトじゃなく、自分だけにしか見えない

「WHY」が時代をつくる

 

第2章で、AIの時代は課題解決よりも課題発見が大事だという話をしました。ただ、すでにあらゆるモノで溢れた現代で、日常のなかからそれを見つけ出すことは困難です。

 

そんな時代に大事なことは、すでに存在するモノに対する「意味のイノベーション」です。

 

なんのことか分かりにくいですね。実は私も、ビジネスプランナーの安西洋之さんからヒントを与えていただき、自分なりの咀嚼を続けている最中なのです。

 

たとえ話から入りましょう。

 

iPhone はここ10年で世界を大きく変えたイノベーションのひとつです。

iPhone は何がすごいのでしょうか? 指で直感的にできる操作性? 大きなスク

リーン? 綺麗なカメラ? 色んなプログラムが走るアプリ?

ひとつひとつの機能は確かにすごいものですが、これだけではありません。

iPhone が世界を変えるほどのモノになったのは、iPhone を通すことで、自分が見た風景、ふと浮かんだ考えをカメラやテキストで切り取り、瞬時にインターネットでシェアすることができること。ランチタイムには、すぐさま地図や交通情報、レストランのレビューなどで情報を得て、スムーズにお店へたどり着くことができること。しかも、お店へ行き着くまでの間、好きな音楽を聴いたり、動画を観たりできる。そこで何か新しい発見や、アイデアが生まれることもある。

 

つまりiPhone は、電話という人と会話するツールを、「自分をより好きになること、リアルにふれること、より自分を表現できるようになること」という「新しい意味」にイノベーションさせたということにあるのです。

 

これは、みんなの行動を観察するインサイトから生まれたのではなく、アップル社創設者の1人であるスティーブ・ジョブズさんが貫いた「Think Different(人と違うように考えられること)が人にクリエイティビティや、その人だけの人生をもたらすことができる」という強い信念、つまり「WHY」から生み出されたものです。

ジョブズさんは養子だったので、生い立ちからくる違和感・歪みを肯定して進化していくために、「Think Different」という信念に自分の生きる意味合いを見出しました。そして、iPhone を通して、彼の追い求めた「新しい意味」に世界が書き換わっていったのです。

 

あなたの「WHY」はどこにありますか?

信じて貫けば、世界を書き換える力になります。

 

 

■『君の名は。』『シン・ゴジラ』の大ヒットの秘密「新しい意味」の流通

 

iPhone ほど大きな革命なんて、自分には起こせないと思うかもしれません。しかし僕らは、スティーブ・ジョブズさんが携帯電話に「新しい意味」を吹き込んだようなことを、日常ですでに行っているのです。

 

2016年は、邦画が大ヒットした年でした。『君の名は。』は興行収入が213億2000万円、『シン・ゴジラ』は81億1000万円(いずれも2016年12月25日時点)を記録しています。

両作の特徴は、SNSで話題が話題を呼び、一度観た人が友達を誘って何度も観に行ったことです。

 

この現象を説明するうえで、僕はアニメ・特撮評論家の氷川竜介さんの分析にハッとさせられました。

この2つの作品の特徴は、圧倒的な絵と音のすごさで作品の世界観に引き込まれた先にある、複雑なプロット・伏線の嵐です。

 

なので、つい観客は、自分が映画をどう解釈したか、自分にとっての意味合いを語りたくなります。

 

特に、自分なりの解釈をした後にもう一度映画を思い出すと、その映画は全く違う魅力を帯びるのです。だから、もう一度観たくなる、自分なりの解釈を人に話したくなる、誰かと映画の見方が変わる感動を共有したくて、誘いたくなる。

 

たとえ自分なりの解釈がなくても、インターネットの世界では、SNSやブログを通して他人の解釈がシェアされていきます。誰かの解釈を聞くことで、映画の意味・重みが全く変わってくる。「そんな見方があるなんて!」と、つい他の人にも聞かせたくなる。誰もがうなるような解釈は、インターネット上や口コミでどんどん拡散されていきます(さらにいえば、そういう〝秀逸な解釈〟を人より先にシェアできる〝僕かっこいい〟という承認欲求も、この拡散を加速させているでしょう)。

 

このような上昇気流に乗って、『君の名は。』や『シン・ゴジラ』の解釈、見方は何度も上書きされていき、その度に映画の新しい魅力を体験したい観客を巻き込み、巨額のヒットを生み出していったのです。

 

これは、生まれたときから周囲がモノで溢れていた「ないものがない」世代が大好きな、既存のモノに「新しい意味」を提供することで「今あるものが全く違う魅力あるものになる」という新しいビジネスのあり方です。

 

最近は、生活をちょっと便利にする100円均一ショップ「ダイソー」より、生活に新しい意味をもたらす低価格な北欧雑貨店「フライング タイガー コペンハーゲン」が流行ってきています。これも、日常の中に課題がなくなった時代に対する、ひとつの答えなんだと思います。

 

フライング タイガー コペンハーゲンで売られているメモクリップ、ファイルケース……これらは主に100〜500円程度で売られているものですが、ユニークなデザインによって、日常生活を彩り、ちょっとクスッと笑わせてくれる、豊かな意味を持っています。

 

そう、世界の見え方を少し変える「新しい意味」は、たとえ300円の商品でも、たったひとつの映画の解釈ツイートでも、もたらすことができるのです。

 

あなたがもたらすことができる小さな「新しい意味」はなんですか?何気ないSNSポストのなかでも、見つけていくことができるはずです。

 

 

■あなた発イノベーションの起こし方

 

「新しい意味」は、ジョブズさんがそうであったように、身体の内側から起こってくるものです。彼の場合は「Think Differnt」という「WHY」でした。

 

第2章でご紹介した「偏愛マップ」のように、人間は自分の好きなもの、こだわりのあるものは、他人よりもはるかに高解像に見えます。

 

あなたの「好き」「あなたの歪み」は、他人にとって、今ある世界を新しい意味で楽しむことができようになるための源泉なのです。

 

Twitter やInstagram などのSNSで、ふと思いついた自分の解釈を共有していけば、共感をしてくれる仲間に出逢ったり、誰かの世界の見方を更新させていくことができます。

中高生に絶大な人気を誇る「ぼくのりりっくぼうよみ」さんや、「SEKAI NOOWARI」さんの歌詞は、大人が聴くととても厨二病的ですが、その歌詞の裏側にある想いに共感し、彼らの歌によって世界の見方が変わるからこそ、人気を呼ぶのだと思います。

 

では、誰かに「新しい意味」を提供する源泉となる、自分のなかの「好き」や「歪み」をどうやって育てていけばいいのでしょうか?

 

それは、まずはアウトプットを目的とせずに、ただひたすら「没頭」すること、だと思います。

 

これは、これまたマッキンゼー時代からの師匠である安宅さんのSNSポストや安西さんのヒントから自分なりに解釈したなかで生まれたアイデアです。

 

世の中の人にとって「新しい意味」をもたらすものは、人との違いや、ズレから生じる「好き」や「歪み」です。なので、人との違いが自分にとって確固たる強度なものへと成長する前に、他の人にアウトプットしてしまうと、他人の評価軸や基準を取り込んでしまい、折角の歪みがなくなってしまうかもしれないのです。

 

例えば、「虹は何色ですか?」という話をすると、日本人は7色と答えます。しかし、アフリカのアル族には8色に見えていたし、沖縄の一部の地方では2色に見えるという話もあります。

子どものころに見えていた虹の色は、もっと色鮮やかだったかもしれないし、単色にしか見えていなかったかもしれません。でも、いつのまにか「虹」と聞くと、7色で描くようになっているし、自分でもそうとしか見えないようになってしまっている。

 

だから、自分にしか見えない色や風景は、こっそり育てていくのがいいのです。他の人に話して、「人と違う自分が悪いんだ」などと思い込まず、直さなくてもいいくらいまで、しっかりと育てていきましょう。自分の虹の色の見え方を世の中に発信すると、「虹は7色じゃない!」と批判の声があがってくるでしょう。しかし、それでも自信を持って発信し続けたら「俺にもそう見えた」と共感する人や「いやいや、私にはこう見えるよ」と言って楽しんでくれる人が現れてきます。

 

それが、日常のなかに新しい意味をもたらしてくれるフライング タイガー コペンハーゲンのグッズのように、誰かが気に入ってくれれば、それが価値になり、あなたのビジネスにつながっていくかもしれないのです。

 

 

■MITメディアラボが重視する4つのP

 

「はじめに」で書いた、「乾けない世代」の特徴である、「自分が頑張る意味が持てるもの」に「自分が好きな人達」と「とことんハマる」ことを重要視する。金銭や物理的な報酬とは関係なく〝自分の好き〟を追求するという姿勢はこれからとても大事であることが分かってきています。

 

MITメディアラボでは、学ぶときに4つのPを重視しています。

Project(一定期間で共通の目的を達成するプロジェクト)

Peer(共に歩む仲間)

Passion(熱い熱意)

Play(遊び心)

 

「新しい意味を作っていく創造的」なことは楽しみながら歩んだほうがずっといいのです。

 

つまり、「乾けない世代」は、誰でもできることはAIがやってくれる時代において、新しいことを創造していく、一番大事な資質を既に持っているのです。

後は、その資質を自分の熱意が持てる「好き」や多様性のある仲間にどう広げていくかなのです。

 

 

■好きを、「生きがい」に変えていく

 

さて、いよいよまとめに入っていきましょう。ここまで、主に3つのことをお話ししてきました。

 

1、「ないものがない」時代から生きる「乾けない世代」は、上の世代に比べ、「達成」や「快楽」よりも「意味合い」「良好な人間関係」「没頭」に意味を置く世代であること。この世代だからこそ作れる「新しい価値」があるということ。

 

2、その「新しい価値」は、自分だけの「好き」や「歪み」から生まれやすいということ。

 

3、「自分だけの世界の見方」を発信すると、それが他の人にとって「新しい世界の見方」になったり、既存のモノに新しい意味を与えたりすること。

 

そして、自分だけの「好き」の見つけ方、育て方や注意点などもお話ししました。最後は、「好き」をいかに人生の柱である「生きがい」まで変えていくのか、について説明していきます。

「生きがい」について、非常に分かりやすく表した図があります。この

図はSNSで拡散され、共感を呼び話題になったものですが、詳細な出

典元は不明です。

 

製作者はおそらく英語圏の方だと思いますが、日本語の「生きがい」と

いう言葉は、英語に訳しにくい言葉のようです。そのため、「Ikigai」

という言葉のままになっているのが面白いですね。

 

Ikigai(生きがい)とは、「That which you love(あなたが大好きなこと)」「That which the world needs(世界が必要としていること)」「That which you can be paid for(あなたが稼げること)」「That which you are good at(あなたが得意なこと)」の4つの点が交わるところに生み出されるものです。これまでの僕のエピソードや、「ぼくのりりっくのぼうよみ」さん、はたまたあなたが思い浮かべる〝生き生きと働いている人〟を、4つの点に当たる要素にそれぞれ当てはめてもらうと分かりやすいのではないでしょうか。

 

「好きなことだけで生きていく」ことは、「That which you love(あなたが大好きなこと)」のことですよね。でもそれだけじゃなくて、実は「That which you are good at(あなたが得意なこと)」のことでもある。人は、自分が好きなことはいつまでも続けていられるものなので、やり続けているうちにそれが「好きなこと」=「得意なこと」に進化していくのです。

 

すると、好きで得意なことは、誰よりも時間をかけてこだわったり、逆に他の人よりも素早くこなしたりすることができる。例えばあなたが根っからの韓国料理好きだったとしましょう。家でも美味しい料理を食べられるように、レシピ本を買い込んで研究しているうちに、腕が上がりますよね。そして、韓国料理なんて作れない多くの人は「こんなに難しいことが、この人には簡単にできちゃうんだ!」と感動するので、そこに価値が生まれます。

人は、自分にはできないこと、つまり〝有ることが難しい〟ことにありがたみを感じる。そして、「こんなに美味しい料理を食べさせてくれるなら、お金を払いたいくらいだよ! 何かお礼をさせて」と感謝をしてくれる。この状態が、「That which you can be paid for(あなたが稼げること)」です。

そして、自分が好きで得意なことが、同時に世界によって求められるものであれば、生きがいになります。世界といっても、全世界のことではなくて、あなたのコミュニティのサイズでいいのです。例えば、激戦区である新大久保に韓国料理店をオープンしてもあまりありがたがられないけれど、まだ海外の料理の店すらない地域にオープンしたら、住民から「これからはわが町で韓国料理が食べられる!」と喜ばれます。

このように、周りからありがたがられるようなことが、「That which the world needs(世界が必要としていること)」です。以上の4つの点が全て重なると、それがあなたにとっての「生きがい」になり、さらに「生きがい」が増えていく。はじめは自宅で自分だけのために作っていた韓国料理が、しだいに友人から町の人々へと広がっていき、さらに味を試行錯誤していくうちに評判を呼び、ついにはレシピ本になって、全国の韓国料理ファンのもとへ届けられるようになるかもしれない。

 

僕は、これが本当の意味での「好きなことだけで生きていく」状態だと思うのです。あなたにとっての「好き」が見つかると、自然とそれが「ライフワーク」になり、人生のなかの「ライフワーク」のバランスがしだいに増えていきます。好きなことをしているときは、いくら時間が過ぎても気が付かないくらい幸せなもの。だからといって、好きなことばかりしている時間が極端に増えたり、「生きがい」の4つの点のバランスがうまくとれずに、養うべき家族や子どもが犠牲になったりするのは本末転倒です。

 

あなたにとって先の図の4つの点が交わるモノは何か、見極めていきましょう。

 

 

■どうやってライフワークを増やしていくか?

 

自分が食べていく(家族を生かしていく)ためにやるべき仕事を「ライスワーク」といいます。「ライフワーク」の部分を広げていくには、まず自分のなかで「ライスワーク」「ライフワーク」を明確に使い分けることが大事です。

 

「ライスワーク」を、「ライフワークに自分が没頭できるためのお金と時間とリソースを生み出すもの」と捉えてもいいでしょう。それくらい割りきって、平日は目の前の仕事に集中して、お金を稼ぐ。そして、帰宅後や週末になったら「ここからはライフワークの時間だ」と切り替え、好きなことや自分が得意なことに時間を投資し、磨いていく。

 

そうしていくうちに、「好き」が「得意」になり、「お金」になり、「世界が求めること」と合致したとき、4つの点が重なり、「生きがい」で稼げるようになっていきます。そして、「ライフワーク」での稼ぎが、「ライスワーク」に頼らなくてもよくなってきたころ、あなたが「生きがい」を追求して生きていく人生が本格スタートしていくのです。

 

 

■新社会人の方へ

 

とはいえ、もしあなたがまだ新社会人ならば、まずは目の前の仕事をひたすらにこなし、集中することを優先してください。誰よりも熱意を持って目の前の仕事に時間をかけ、他の人との差によって「この人にはお金を払ってもいい」と会社に思ってもらえるだけの仕事をすることを、まずは頑張りましょう。好きなことで生きていく前に、まずは自分が食べていける足場をきちんとつくること。そこからじっくり時間をかけて、「ライフワーク」を磨いていけばいいのです。

 

もちろん、好きなことがすでにあるなら、それは慌ただしい新卒時代を生き抜く支えになります。好きなことを見つける作業も、楽しいひとときになるでしょう。普段の仕事のなかでも、だんだんと自分の得意なことの芽が見えてくるでしょう。「生きがい」の芽を見つけるのは早いに越したことはないですが、それを仕事にしていくプロセスで焦る必要はないのです。「生きがい」を磨いていく人生は、一生かけて作り上げていくものですから。

 

 

■はじめはちょっと孤独。それでも!

 

日本がここまで短期間で成長したのは、戦後に「人間がロボット状態になって働く」ことを一度受け入れたからです。だからこそ、今の僕があり、あなたがある。それは、ありがたくて素晴らしいことです。

 

しかし、これからはもう誰かがロボットのように感情を殺して働かなくてもいい時代なのです。なぜなら、それはもう高性能なAIやロボットが代わりにやってくれるようになるから。ロボットのように働いていた人たちの仕事はなくなるのです。

 

そうなってくると、僕のようにひたすら自分の強みを磨き、自分の「生きがい」のために働くか、いっそ引きこもってやりたいことをやり続けていくかしか、選択肢がなくなってしまうのです。でも大丈夫。どんな人にも「生きがい」の芽というものはあります。それをじっくりと見つけてほしいのです。

 

自分が好きなことを探し出すとき、どこからともなく、こんな声が聞こえてくるかもしれません。

 

「そんなことしたって誰にも認められない」

「そんなことお金にならない」

「そんなことが好きだなんて、みんなから白い目で見られるよ」

 

不思議なことに、誰にそれを言われなくても、自分で自分にそうささやいてしまうものです。それはもしかしたら、大人になっていく過程のなかで、誰かが悪気なくあなたにかけた〝呪い〟なのかもしれないし、傷ついたり失敗したりするのが怖くて、いつしか自分でかけた制限なのかもしれません。

 

でも大丈夫。あなたが心底楽しそうに没頭し、それが少しずつ形になっていく背中を見ているうちに、周囲の人はだんだんと巻き込まれ、応援してくれるようになります。

 

「生きがい」を探しているうちに、ついつい「これをやったら称賛される」というような、他人の評価を真っ先に考えてしまうこともあるでしょう。ですが、本章にはそういったノイズをなるべく排除して、純度の高い「生きがい」を見出すことがいかに大きな成果を生み出すかについても、盛り込んだつもりです。ぜひ迷いそうになったら読み返してみてください。

 

「生きがい」を磨く生き方は、はじめはちょっと孤独です。一人部屋で絵を描く時間も、誰にも自分の「好き」を理解されないことも、寂しいものです。でも、その孤独こそが、あなたの「生きがい」を確固たるものへと鍛え上げてくれます。そして信じて貫いていくと、同じ高みを目指してきた人との出逢いが始まり、本当の意味での「仲間」が増えていきます。僕は今、世界中に仲間を持っています。それが僕の一番の自慢です。自分だけの道を歩み、たどり着いた地平から、もう一度素足でこの世界を眺めると、どんなピンチもチャンスに変わる、素晴らしい世界であることを実感できるはずです。

 

—終わり–

 

モチベーション革命の「はじめに」は編集者箕輪さんの配慮で、

箕輪さんの公式ページに常設公開しています。

→ https://note.mu/met2017/n/n717435470eab

 

革命のファンファーレ 西野亮廣

→  http://amzn.to/2hW5Rcv

どうすれば幸せになれるか科学的に考えてみた 吉田 尚記、石川善樹

→  http://amzn.to/2kLci2P

ぼくらの仮説が世界をつくる 佐渡島 庸平

→ http://amzn.to/2l2XAUW

MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣 シバタ ナオキ

http://amzn.to/2gKZmsC

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 宣伝会議 田端 信太郎

http://amzn.to/2hbUl9J
モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書

http://amzn.to/2hIGqL5